会計士・税理士として。
コンサルティングチームの一員として。
自分の存在意義をもっともっと広げたい。
財務税務
税理士/公認会計士
福本 晃也Akinari Fukumoto
福本 晃也Akinari Fukumoto
三重県津市出身。名古屋大学経済学部卒業。在学中に公認会計士試験に合格、卒業後は四日市市にある税理士法人に就職し約6年間在籍。在職中の関与先に、堀内が顧問社労士をすることになり、ロジセンスと関わりを持つようになる。また、公認会計士としては地元の監査法人に非常勤として在籍している。2019年に独立し、四日市市に「福本晃也会計事務所」を開設。関与先企業の財務や税務の相談に乗り経営基盤を強化するという使命に加え、ロジセンスの一員として専門知識を活かしてより幅広く経営支援や経営改善に尽力している。家を建てたばかりなのに幼い子どもの玩具と趣味の水耕栽培植物でいっぱいなのが、目下の幸せな悩み。
専門分野だけで役に立つ人で終わりたくない。
現在の主な仕事内容やミッションを教えてください。
福本:ロジセンスにおける私の役割は、会計士であり税理士である私の専門知識や知見を、クライアントへのコンサルティングプランに付加するということになります。もう少し詳しくご説明しますね。経営課題というとてつもなく大きなテーマには、幾つもの解決すべき問題やクリアすべきポイントがあります。人や組織に関わること、事業や商品に関わること、そしてお金に関わることなどさまざまですが、ロジセンスではそれらをバラバラではなく、因果関係や相関関係に着目しながら有機的に取り扱います。私の専門領域は財務や税務ということになるのですが、それはすなわち企業の経理部門だけが対象になるということではありません。
人材採用に課題がある、在庫調整に課題がある、顧客コミュニケーションに課題があるなど、どんな領域においても「お金」は少なからず関わってくるもの。お金という観点を無視した改善策を提案しても、実行できないことや実行後に収支が悪化することに繋がることが少なくありません。私のミッションは、そのようなリスクを最小限に抑えることだとも言えるかもしれません。
ロジセンスと出会うまでの経歴を教えてもらえますか。
福本:名古屋大学の経済学部在籍中に公認会計士試験に合格、卒業後に四日市市にある税理士法人に就職しました。しかし、会計士・税理士をめざすようになったのは、就職のことを考え始めてからでした。大学に入る以前から目標にしていた職業というわけではありませんでした。人前で話すことにコンプレックスを感じており、就職活動での集団面接やプレゼンテーション などを考えると、自信を持てずにいたのです。なんとなく公務員が向いているのではないかと考えていた時に、友人の一人が公認会計士の試験を受けるということを耳にし、そこで初めて専門職という道を考え始めました。目標を持って勉強するのが好きだったこと、数字が嫌いではなかったこと、そして税理士をしている叔父がいたということから、会計士・税理士を目指すことに決めました。
そうして無事に試験をパスし、卒業後に税理士法人に就職したのですが、早々に進路を間違えたのではないかと後悔することに。税理士になりたてで事業や経営のことを全くわかっていない自分が、いきなり経営者と顔を合わせて話をするということに戸惑ったのですね。そもそも「人と話す」ことに強い苦手意識があったのに、その相手が自分よりも年齢も社会経験も肩書きも遥かに上の方なのですから。それでも自分の決めた道なので、事務所のボスやお客様からたくさんのことを教えてもらいながら、少しずつ知識と自信が大きくなっていきました。結局その税理士法人には6年と少し在籍したのですが、最終的には中小企業だけではなく大手企業も担当させていただくようになっていました。
顧客の大きさではなく、自分が役に立てる面積を大きくしていきたい。
大手企業を任されるようになり、やりがいも大きくなったのではないですか。
福本:もちろんそういう志向を持っている方もいるとは思いますが、私はそうではありませんでした。大きな会社になればなるほど、私が役に立てる面積が小さくなっていると感じました。私が6年間で実感したのは、小さな会社の経営者と深く関わることで、その会社の成長に寄与している実感を得られることにやりがいを感じるということだったのです。しかし、今のままではそんな理想が本当の意味で叶うことはないとも思っていました。それは、私自身が経営者ではないということです。経営者と被雇用者である自分が、想いや迷いや悩みを共有することには限界がある。独立を考える少し前からは、そんなジレンマが少しずつ蓄積していたのも事実です。
独立するのか、それとも中小企業を対象にしている税理士事務所に転職するのか、そんな悩みを相談していたのがロジセンスの千春さんでした。共通のクライアントを担当することになったことをきっかけに知り合った千春さんとは、仕事のスタンスや価値観がとても似ていたことから、いろいろと話をさせていただくことが多かったのですが、すでに独立して活躍していた千春さんから背中を押されたことで独立を決意しました。
ロジセンスのチームに加わることになったのは何がきっかけだったのでしょうか。
福本:前職時代に千春さんと知り合ったことはお話ししましたが、しばらくは電話やメールでの業務上のやり取りだけで実際に会うのは少し後のことになります。ある時、中井さんと千春さんが仕事で私が勤務していたオフィスの近くに来た時に、「近くに来ているので立ち寄ってもいいですか」と突然連絡がありました。中井さんと税理士法人の代表も仕事で面識があったということで、お二人で来られたんですよね。そこで面識ができました。
実際にロジセンスと一緒に仕事をするようになったのは、私が独立して間もない頃でした。千春さんとは共通のお客様を通じてのやり取りが続いており、話をする頻度も増えていたのですが、そんな中で千春さんが社労士の枠を超えて「コンサルタント」の視点でクライアントと向き合っている姿勢に感銘を受けるようになっていました。ロジセンスの経営コンサルティングという事業に柔軟に関わることで、顧客に寄与する面積が大きくなっているということは、私がめざす理想の姿にも重なっていたのです。
千春さんや中井さんも、そんな私の想いを理解していてくれたのか、ロジセンスの案件に声をかけてくれるようになりました。そしてそれは、私の税務知識や会計知識だけを求めているのではなく、他の専門知識を持ったメンバーとの共同作業の中で新たなヒントやアイデアを創出することを期待されているのだと理解しています。
相手に工夫を強いるのではなく、自分がどう工夫できるのか。
ロジセンスでの業務や役割を遂行するために、大切にしている考え方はありますか。
福本:いくつかありますが、まずはとにかく相談しやすい存在でいることです。それは表情や立ち振る舞いといったインターフェイスのことだけを言っているのではありません。財務や税務という限られた視界ではなく、ビジネスや経営ということを多面的に見られ、さまざまな観点から自分なりの考えをアウトプットできるということです。話す相手に、少しでも新しい気づきを提供できる存在でいたいですね。
もう一つは、相手に工夫を強いるのではなく自分が工夫する、ということです。相手というのは、もちろん主にはクライアントということになりますが、税理士としてこれまでたくさんのお客様と話をしてきた中で強く感じていたのが、「税理士に仕事を頼むために業務が増える」ことが多いということでした。税務や会計に限らず、会社の業務をアウトソーシングする際に「新たなシステムやアプリケーションを導入する必要があり、そのための業務フローが新たに増える」ことが、半ば当たり前になっている現状があります。ひどい例では、社内の会計システムとは別に、会計士に提供するデータを作成するためのシステムを入れなくてはならないということも。私は、このようなことはこちらが工夫することで回避できると信じていますし、そう考えることからスタートすることを心がけています。クライアントの負を解決するのが私たちなのに、その私たちがクライアントの負を増やすわけにはいかないですよね。仲間に対しても、同じ気持ちです。チームで仕事をするからこそ、私が加わることで他のメンバーに余計な負荷をかけるわけにはいきません。私がどう工夫すればチームのパフォーマンスが上がるか、そして私のスキルが高まるか、そう考えて仕事に取り組んでいます。
これからさらに力を入れたいことや、やりたいことがあれば教えてください。
福本:ロジセンスでの仕事においては、さらに経験を積むことで自分の存在意義という面積を広げていきたいです。ロジセンスとしてまだ関わったことがない業種のクライアントや、対峙したことがない課題などにどんどん出会えることを楽しみにしています。「福本晃也会計事務所」については、私と妻に加えて資格取得をめざす若手職員がいるのですが、試験に合格してからの礎となるようなことを彼に教えていくことが大きな目標です。実は最近その彼から、プロポーズに成功したとの報告を受けました(笑)。祝福の気持ちと、「ここなら将来を考えられる」と思ってもらえたのかな、という嬉しさでいっぱいになりましたね。
そして、やはり一番大切なのは家族です。まだ小さい子どもと妻に、多くの人の役に立っている姿を見せ続けたいと思っています。また、工夫するのが好きという性格はプライベートにおいても同じで、最近建てた家でも設計段階で動線に徹底的にこだわったりしました。これからも、家族ができる限り快適な毎日を過ごせるように、そんな自分らしさを発揮していきたいですね。
インタビュー:堀内 千春 (LOGISENSE Inc.)
記事執筆:竹中 圭一 (LOGISENSE Inc.)
撮影:井村 義次 (LOGISENSE Inc.)