恋のために伊勢にきた。
家族も、キャリアも、自分らしい生き方も、ここで手に入れた。

アートディレクショングラフィックデザインWEBデザイン

アートディレクター

村田 佳子Yoshiko Murata

村田 佳子Yoshiko Murata

千葉県八千代市出身。デザインの専門学校を卒業後、デザイン会社や広告プロダクションなどでスキルを磨く。30歳手前で三重県伊勢市に移住し、印刷会社で1年勤務した後にフリーランスとして独立。結婚と出産を経て、2019年にロジセンスにジョイン。以来、グラフィックだけでなくウェブとのメディアミックス、また広告としての視点に加え、コンサルティングの可視化としてのアートディレクションにまで、幅広く活躍している。プライベートでは、酒好きと運動好きをしっかりと両立しながら日々を楽しんでいる。

ロジックとセンスを融合させたものを可視化するのがデザイナーの役割。

現在の主な仕事内容やミッションを教えてください。

村田:役割としては、アートディレクター兼デザイナーということになっています。ロジセンスがコンサルティングを行うクライアントに提供するソリューションの手法に、広報メディアやツールなど制作物が含まれることが非常に多いのですが、それらをほぼ一手に引き受けています。デザイナーというと、ただカッコいいデザインを施したり、オシャレな写真やイラストをあしらってみたり、という表面を綺麗にまとめる作業が主な仕事だと思われるかもしれませんが、ロジセンスにおけるデザインって、そういうことではありません。そのクライアントが世の中に発信すべき情報を取捨選択し、優先順位をつけ、ターゲットに合わせてメディアやクリエイティブを選択する。表現を定着させるまでの筋道を間違えることなく設計することこそ、私の仕事におけるより大切な部分です。

もう少し詳しく説明してもらえますか。

村田:ロジセンスは、広告制作会社ではなく、企業に対してコンサルティングを行う会社です。顧客の課題やその要因となる問題は、営業戦略から資金調達、人事採用、業務フロー、社内コミュニケーション、物流、さらにはDXなど幅広い上に複数が絡みあったりしています。問題解決のためのロジックも、さまざまなファクトやデータやビジョンを理解して整理することから導き出さないといけません。そして、世の中に最も効果的に伝わる方法でアウトプットします。私はそのアウトプットに責任を持つものだからこそ、その前行程をクライアントや当社コンサルタントと同じレベルで理解しなければならないと思っています。ここでは、「こういうテーマでこれを作って」「制作物のラインナップはこれだから、あとはいい感じで仕上げて」などという仕事は存在しません。ロジセンスの社名に込められた意味でもある、ロジックとセンスを最高レベルで融合させる、これが私のミッションだと考えています。

デザイナーとしての成長以上に、ビジネスパーソンとして成長を実感。

村田さんがロジセンスに入社することになったきっかけを教えてください。

村田:私は出身が千葉県で、東京のデザイン専門学校を卒業しました。その後、デザイン会社や広告制作会社などをいくつか経験しながら、デザイナーとしてのスキルを身につけてきました。デザイナーとして仕事を始めた頃は、現在のようにまだまだコンピュータで全てが完結できるという時代ではなく、レイアウト用紙に線を引いたり写真やイラストを切り貼りしたり、製版の指示を書き込んで印刷会社に入稿したり、ほぼ全工程が手作業でした。実際の仕上がりは、印刷会社からの見本刷りを待つまでわからない、みたいな。そこから時代の流れに乗りながら、いろんな知識や技術を身につけてきたと言う感じですね。

30歳になる少し前に、ある事情で伊勢に移住することになりました。なりましたというか、自分でこちらに移り住もうと決めたのですが。それから印刷会社での勤務を経てフリーランスになりました。プライベートでは結婚、出産があり、子育てが生活の中心になりましたが、細々とフリーランスは続けていました。子どもも大きくなってきたことからまた働くことを考え始めたタイミングで、たまたまロジセンスのホームページを見つけて押しかけてみたのです。最初は案件ごとの業務委託だったのですが、それほど時間をおかずに「社内でより事業にコミットして力になってくれるデザイナーを雇用したい」ロジセンスと、「もっと安定して稼ぎたい」私の思いが一致したことから、入社が決まりました。

これまでの会社で働いていた時、そしてフリーランス時代と比べて、何か変わりましたか。

村田:ロジセンスで仕事を始めてからもう5年が過ぎたのですが、これまでの私のキャリアでは最も長く続いている職場です。会社勤めも2、3年で次に移ってきましたし、フリーランスという立場でも家事や育児と並行してと考えると、長期間にわたって継続していたと言えるわけではありません。そう考えると、やはりまず第一に、ここでの仕事がこれまでに比べて面白いということだと思います。仕事が面白いというのは、先ほど触れましたが、単なるデザイン業務だけをするのではなく、経営課題のソリューションに大きく関与しているという実感ですね。その分、学ばないといけないことも多いし、求められるレベルも高いので、楽しいだけではなく苦しいことも多いです。また、「それ、私がやること?」なんてこともありますが、それも含めて「面白い」と思えるのが嬉しい。そしてそれは、優秀な仲間とのチームワークがあるからこそなのですが、そんな仲間から受ける刺激もここで初めて体感するものです。デザイナーとしてはもちろん、ビジネスパーソンとしての成長を実感する毎日を過ごすことができています。

目の前の変化を受け入れて楽しむことが、自分の可能性を広げる。

先ほど「ある事情で」伊勢にやってきたとお話ししていましたが。

村田:そこ、突っ込まれるんですね(笑)。簡単に言えば、恋のためにやってきました。当時、遠距離恋愛をしていた彼が伊勢に住んでいたので、近くにいたいと思ったということです。サーファーだった彼は、東京に出ていくつもりはないと常々言っていましたので、私が動くしかなかったと言いますか。今振り返ればよくそんな無茶ができたなと思うのですが、まだ20代で若かったからこそできたんでしょうね。

また、私の職業柄ということもあったかもしれません。当時からデザイナーなどクリエイティブ関連の仕事をしている人たちは、スキルアップやより面白い仕事のために会社を移ったり独立することが当たり前だし、インターネットやコンピュータの進化もあってどこでも仕事ができる時代になりつつもありました。そんなわけで、そんなに思い悩むこともなく、決めましたね。ちなみに、その当時の彼とは無事に結婚することになり、今では私の配偶者であり子どもの良きパパです。

そんなかっこいいエピソードを持つ村田さんの強みはどこにあるのでしょう。

村田:社会に出て仕事を始めた当初から変わらないのですが、私は足踏みすることが好きではありません。出来ることを、ただ流れに身を任せてしてきた結果、今があります(笑)。仕事が大きいか小さいか、難しいか簡単か、ということは関係ありません。例えば、仕事を依頼してきた相手に「こんな小さな仕事でも受けてくれてありがとう」と言われるようなこともありましたが、自分としては感謝されるとも、感謝されたいとも思っていなくて、新しいことをまたひとつ経験できる機会だと引き受けていたのです。これは、仕事に限らず環境や状況といったことでも同じです。だから、伊勢への移住もためらわなかったし、ここで暮らして20年以上になりますが、ずっと楽しく過ごせています。その時々の自分の境遇を楽しむ。もしかしたら、これが私の強みなのかもしれませんね。

また、継続する力もある方だと思います。私と同じクリエイティブに関わる仕事をしていたかつての同僚や専門学校時代の同級生などと、久しぶりに話すことがあると、伊勢に移住して、今もまだデザインの仕事を続けていることに驚かれ、そしてそれを嬉しいと言ってくれます。色々な分野で活躍することも素晴らしいですが、ひとつの道を進みながらその道幅を広げ続けることも評価してもらえるんだなと、少し自信を持てるようになりました。

コンサルがわかるデザイナーから、デザインができるコンサルへ。

プライベートはどのように過ごしていますか。

村田:先ほどの話を裏返せば、自分は受け身なのだとも思います。ですから、積極的に新しい趣味を見つけて楽しんだり、ということはあまりなく、夫の影響でサーフィンをやってみたりといった程度です。どちらかというと、自分が何かに夢中になることよりも、何かに一生懸命になっている人を支えたり応援したりすることが好きですね。あえて主体的な趣味と言えるのはお酒でしょうか。家で一人で飲むこともあるのですが、遠くに住んでいる友人と泊まりがけ飲んだりするのが好きですね。

人と関わって何かをするのは好きだし、小さい時から運動神経はいい方だったので、スポーツをすることは好きです。ただ、最近は体を動かす機会がめっきり減り、全然動けなくなってしまいました(笑)。今は、地域のバレーボールクラブに入っている子どもの応援がもっぱらです。ママ友から「LINEの機能すごく使いこなしてるね!」など、今の仕事を通して、ちょっと詳しくなったことで褒められたりするのも、日常の小さな喜びです。

これから身につけたいことや学びたいことがあれば教えてもらえますか。

村田:仕事をする上での現実的な課題としては、動画コンテンツの企画の立て方とか見せ方やSNSの活用の仕方など、やはりまだまだニーズが大きくなっているので、どんどん新しい知識や技術を身につけたいなと思っています。ディレクション力を高めるために必要なのですが、自分で手を動かして作れるようになれば、もっとクライアントのためにもロジセンスのためにもなるかな、なんて思っています。

あとは、自分がアウトプットしたデザインについて、もっとしっかり言葉で説明する力を身につけたいですね。デザインというのは情報整理だと思っているのですが、それが画面数の多いウェブサイトであろうが、ひとつのロゴマークであろうが、どんな情報がどんな形で内包されているのか、最終的にその完成形に至った理由は何なのかを語れる人にならなければいけないと思っています。そして、コンサルティングの上流から理解して課題解決への方向性を示すことができる人をめざしたい。ちょっとカッコよく言えば、「コンサルティングがわかるデザイナー」から「デザインができるコンサルタント」に近づきたい、ということかもしれません。

インタビュー:堀内 千春 (LOGISENSE Inc.)
記事執筆:竹中 圭一 (LOGISENSE Inc.)
撮影:井村 義次 (LOGISENSE Inc.)

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