本来はうまくいかないはずの人たちが見せる極上のチームワーク。
だからこそ変幻自在なソリューションが生まれる。

WEBプロデュースシステム開発

取締役/CDO(最高開発責任者)

髙萩 幸司Koji Takahagi

髙萩 幸司Koji Takahagi

福島県いわき市出身。福島工業高等専門学校を経て、長岡技術科学大学工学部卒業。都内のベンチャー企業に新卒入社し、3大携帯キャリア公式サイト(ゲーム、動画、占い、その他コンテンツの配信)の構築、運営に携わる。退社後、ウェブ制作事務所を立ち上げ、首都圏を中心にPC、スマホ、携帯向けのウェブサイトの構築を行う。2011年、妻の出身地である伊勢に移住し、ウェブ制作を主たる事業とする「オフィスくーま」を設立。2017年、ロジセンスの取締役/CDO(最高開発責任者)に就任し現在に至る。スタッフから「くまさん」の愛称で親しまれている。

ガラケーからスマートフォンの移行期にとことん身につけたウェブの技術を強みに。

現在の主な仕事内容やミッションを教えてください。

髙萩:チーフディベロップメントオフィサー、なんていう格好いい肩書きを着けていますが、要するにロジセンスで手掛けるさまざまなクライアントへのソリューションにおけるウェブやシステム開発といったICT関連を、プロジェクトの責任者としてまるっと任せてもらっているという感じです。ですから、エンジニアリングだけではなく、コンサルティングからクリエイティブまで幅広く、というか枠を決めずに関わっています。コストやチームリソースの管理など、マネジメント業務も大きなウェイトを占めますね。

また取締役としては、もう一人の取締役である堀内とともに、代表の中井を支えています。中井の思い描く事業戦略や営業施策などに具体性を持たせ、どうやったら実現できるか、そして最大限の効果を導けるかを技術的観点から提示したり助言したりするのが、役割になっています。もう少し現場レベルの話で言えば、社内で使用するICTツール導入に関わる意思決定なども任されています。

幅広い業務内容の中で、特にどのような自身の強みが生かされていますか。

髙萩:ロジセンスに加わる以前に立ち上げて、今も稼働しているウェブ制作プロダクション「オフィスくーま」では、ウェブデザイナーとして、デザイン設計から始まって、コーディング、システム導入まで全工程を自分で手を動かす現役のプレイヤーとして、常に最前線にいます。ロジセンスにおいては、私はクリエイティブ業務全体の統括責任者として、ウェブ構築についてはコーディングやシステム開発はいち担当者として、ウェブデザインやその他制作業務は基本的に仲間を信頼して任せるマネージャーとして、いわゆるプレイングマネージャーとしての役割を担っています。プレイヤーとして、常に最新の情報や技術に自分で触れているので何かあった時でも即座に対応できるところが私の強みでしょうか。

そのような強みを身につけてきた、これまでの経歴を教えてください。

髙萩:出身は福島県です。高専卒業まで福島で過ごし、新潟県の大学に進学しました。卒業後は、東京都内のコンテンツプロバイダーに就職しました。そこでは、まだいわゆるガラケー時代でしたが、ベンチャー企業だったため携帯電話の各キャリアの公式サイトの運用に関するすべての業務に携わっていました。その仕事を通じて、ウェブマーケティング、ウェブサイト構築やシステム開発の知識を身につけたのですが、同時にインターネットやウェブの可能性や将来性に魅せられることになりました。

十分なスキルが身についてきた頃には、さらに多くのクライアントやユーザーにさまざまなサービスを届けたいと思うようになり、独立を決意。いよいよスマートフォンが黎明期を迎え、パソコンの普及率が急速に伸びているタイミングという背景もあり、さまざまなウェブサイトの企画から構築を手掛けるようになりました。クライアントと対峙し、ユーザーから本当に求められるコンテンツやユーザビリティなどを妥協することなく追求する姿勢は、その時に確立されたものですね。

その後、この伊勢に移住するタイミングで「オフィスくーま」を立ち上げました。

ロジセンスという稀有な存在を失いたくない思いで、経営参画を決意。

出身は福島とのことですが、なぜ伊勢に移住することになったのでしょうか。

髙萩:そうですね。伊勢は私自身にゆかりはないのですが、妻の出身地ということで移り住みました。生まれてから今までで4つの地域に暮らしていることになりますが、私はその時々に住んでいる場所を気に入っていて、「地元が一番」「いつかは故郷で」という思いは強くありません。そういう意味では、現在は今住んでいるこの街や地域のために、一生懸命力を尽くしたいと心から思っています。これまでもそうでしたが、自分を頼りにしてくれる目の前の相手に、いつでもどこでも全力を出したいし役に立ちたいという思いは変わりません。

また、今は地方にいても世界中と仕事をすることができるし、だからこそアウトプットのレベルも地方にいるから高くなくてもいい、なんてことは許されないと思っています。井の中の蛙ではいけないというか。そんな観点からも、ロジセンスには中井や堀内、そして私をはじめ、いろんな土地で暮らしたり仕事をしたりしてきたメンバーが多いので、極端な地元志向にならずに広い視野でクライアントの課題に向き合うことができていると思います。

髙萩さんとロジセンスの出会いは、いつ、どんなきっかけだったのでしょうか。

髙萩:実は、私とロジセンス、というよりも私と中井とは、ロジセンス設立前に出会っているのです。付き合い始めてからは、かれこれ12年くらいになるでしょうか。中井が、独立前に在籍していたコンサルティング会社が、三重の地元企業をPRするという企画を受注しました。そのプロジェクトを二人三脚のような形で進めることになり、そこでお互いのことを理解しあったという感じですね。最初に出会った時の印象は、東京でバリバリ活躍してきた「自分の周りにはあまりいないちょっと変わった人」という感じでした。

そのプロジェクトが終わってすぐくらいのタイミングで、中井が独立してロジセンスを立ち上げることになったのですが、ありがたいことに「ウェブ周りに関しては全面的に髙萩に任せたい」と声を掛けてもらいました。もちろん、当時はアウトソース先のパートナーとしてでしたが、それまでの関わりの中で中井の営業力や企画力にリスペクトを抱いていたこともあり、これから面白い仕事ができそうだとワクワクしたことを覚えています。

現在はパートナーとしてではなく役員として経営に参画している経緯を教えてください。

髙萩:ロジセンスは、設立当初は人材紹介事業に注力していたということもあり、いわゆる私が担うクリエイティブの部分はあまり出番が多くはなかったんですね。やがて、徐々に顧客が増え案件が大きくなるにつれ、私が関わる機会も増えていきました。ただ、業績は伸びているのに、事業拡大に組織の体制が追い付かず、設立4年目にして経営的には「危機」と言えるような状態を迎えてしまいました。私は、その頃には中井の資質や能力を高く評価していたし、何よりも、仕事には厳しいけど人には優しい「いい人」だという実感が大きくなっていたんですよ。そんな「いい人」が潰れちゃダメだと思ったし、この人と一緒に仕事できなくなるのは絶対に嫌だな、と。そこで、何かできることはないかと申し出たところ、いちパートナーではなく、ロジセンスの一員として一緒に仕事ができないかと言われました。そして、僅かですが出資もした上で、役員として経営にも参画することになりました。

役員の肩書きはありますが、私は中井の能力を信じているので、戦略や方針に異議を唱えたり細かく口を出したりはしません。時々パッションが先行しがちな(笑)中井に、実現と成功に向けての具体策をクールな視点で提案するくらいですね。あくまでも私は優秀なプレイヤーでありたいと思っていますし、中井もそのスタンスを尊重してくれています。

個性豊かなメンバーを許容し活用することで、他のコンサルティング会社と一線を画す。

個人事業の仕事と並行している中で、難しさを感じたりはしませんか。

髙萩:自分でも驚くほど、今の二足のわらじ状態を楽しめています。もちろん、そこはロジセンスの仲間の理解と協力があって成り立っているわけなのですが、意外に繊細な自分にとって二つの居場所があることが心身ともに健康でいられる要因になっています。「オフィスくーま」では一人でプロダクトをつくり、ロジセンスではチームでプロジェクトを進める。それぞれ、面白さも難しさも異なりますが、やりがいの大きさは同じです。また、それぞれの経験がそれぞれに必ず生きてくるので、エンジニアとしてスキルを上げていくのにもいい環境だと思います。

特にロジセンスでの仕事では、一人では物理的に受けられない規模の案件にも関わることができますし、DX(デジタルトランスフォーメーション)やCX(カスタマーエクスペリエンス)といったより経営課題に直結した新たなテーマに取り組む機会にも出会えます。どんどん高度化と多様化が加速するICT領域に関わるものとして、インプットとアウトプットの場があるというのは、本当にありがたいことですね。

いつも仕事をする中でこだわっていることを教えてください。

髙萩:新卒で就職した会社を辞めて独立した当初、「どんな仕事でも受ける」「頼まれればなんでもやる」と意気込んでいました。しかし、しばらくするとスケジュールやマンパワーの問題などで、受けたのにどうしても断らないといけない場面が出てきました。既にお付き合いのあったお客様だから、後回しにしても理解してもらえるだろうと、甘えがあったのでしょう。しかし、それを見透かされたのか「これからもこんなことがあるかもしれないけど、クライアントは大切にした方がいいよ」と言われたのです。怒りや憤りではなく、おそらく私へのアドバイスとして。それからは絶対に「やっぱりできません」と言わないということを、自分自身に課しています。もちろん、リソースの問題などさまざまな理由でそもそも受けられない仕事はあります。しかし、いったん受けると判断した仕事は、何があっても投げ出したり諦めたりしない。それが一番のこだわりです。

ロジセンスの強みや魅力はどんなところにあると思いますか。

髙萩:ここのところおかげさまで業績も拡大しつつあるということで、新しいメンバーが次々と加わっています。ロジセンスは「人が、企業が、地域が、本来の魅力・個性で輝く社会の実現」をビジョンに掲げていることもあり、メンバーを迎え入れる基準、すなわち人材要件も規定していません。むしろ、これまでのロジセンスにはなかった個性を持つ人を求めていると言えます。10名を超える現在のメンバーも、別のところで出会ってチームを組まされたら絶対にうまく行かなそうな(笑)人が集まっているのに、ここではそれぞれが自分らしさを発揮して輝きを放っている。そして、ロジセンスにしかできないソリューションを生み出しているんですよね。長い間経営課題を抱えるクライアントにとっても、これまでのコンサルティング会社とはちょっと視点が違うぞ、提案に期待が持てるぞ、と思ってもらえるのはこういうところではないでしょうか。

私も、自分の個性をこれからも発揮し続けるためには、頭の中だけではなくより健康で柔軟な身体が必要だという思いを数年前から持ち始めました。そのために今、バレエ教室に通っています。もう2、3年になるのですが、解剖学など医学的見地から体の正しい使い方を指導していただけることで、長く現役でいられるという自信が大きくなりました。健康のためとはいえ、いつか舞台で踊るつもりでもやっているんですけどね。

インタビュー:竹中 圭一 (LOGISENSE Inc.)
記事執筆:竹中 圭一 (LOGISENSE Inc.)
撮影:井村 義次 (LOGISENSE Inc.)

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