価値観がシンクロした。
一緒にやろうという明確な言葉は必要なかった。

クリエイティブディレクションコピーライティング

クリエイティブディレクター

竹中 圭一Keiichi Takenaka

竹中 圭一Keiichi Takenaka

大阪府八尾市出身。関西学院大学社会学部卒業。大手情報サービス企業に新卒入社、約24年間の在職期間の大半で企業の採用戦略プランニングと、大学など教育機関のブランディングに従事。その後、学校情報サービスを主事業とする企業に転職、新規事業の立案から立ち上げを主導する。その後、幼稚園から大学まで運営する学校法人に転職。大学のキャリアセンター長とアドミッションセンター長を務めた後、法人本部にてファンドレイジングの部署を新設・運営を主導。2023年に独立し、企業や教育機関を対象にコンサルティングからクリエイティブワークまで幅広く手がける。スパイスカレーの自作歴は約10年。

ロジセンスのクリエイティブチームのポテンシャルを最大化する。

現在の主な仕事内容やミッションを教えてください。

竹中:クライアントワークにおいては、経営理念やVMV(ビジョン・ミッション・バリュー)の言語化をはじめ、ウェブサイトやパンフレットなど各ツールにおけるクリエイティブディレクションからコピーライティングを主に担っています。ロジセンスのコンサルティングは多くの場合、経営者と従業員への徹底的なインタビューがスタートになります。現状の課題を機械的に把握するだけではなく、創業の背景や目的、抱いていた想い、事業を続ける中での喜びや苦しみなどを情緒的にも理解することで、提示する戦略や施策の精度が圧倒的に上がることを理解しているからです。経営理念およびVMVは、その後のすべての施策における礎となるとても重要なものなのですが、言語化されていない企業が非常に多い。インタビューで発せられた生の声を集め、紐解き、紡ぎ直すことによって、従業員にとっても顧客にとっても「なぜこの会社とこの事業が存在しているのか」が明確になり、訴求力と吸引力が強くなるのです。インナーブランディングという言葉を目にする機会が多くなっていますが、まさにその第一歩と言えるでしょう。クリエイティブディレクションというのは、「どのような場面で」「どのような相手に」「どのような内容を」伝えるかによって媒体種別や表現方法を選択し、制作チームから最大限のパフォーマンスを引き出すことがミッションとなります。そのためにも、クライアントの経営理念やVMVをチームで共有し理解することは、不可欠なのです。

ロジセンス内においては、クリエイティブチームのレベルアップが私のメインミッションだと理解しています。そしてそれは、具体的な制作業務における技術を一つひとつ指導するのではなく、クライアントを理解したり経営課題の本質に気づいたりできるスキルを装着するというものだと考えています。コンサルタントと同じ視点の高さ、同じ視界の広さを持つことで、アウトプットの説得力と期待値は何倍にも大きくなります。一気通貫で全体最適を実現することをめざすロジセンスにとって、これこそが非常に大きな競争優位性になることは間違いありません。

ロジセンスのクリエイティブチームの実力と将来性をどう捉えていますか。

竹中:もともと経験値も技術力も十分備えたCDOの髙萩さんが、特にシステム開発やウェブサイト構築においてクオリティの高いプロダクトを提供してきました。そこに約5年前にグラフィックデザインで豊富な実績を持つ村田さん、40年近くに及ぶキャリアを誇るフォトグラファーの井村さんが加わり、メディアを問わず高品質な制作物を生み出しています。さらに、SNSや動画の企画編集を中心に、クリエイティブチームのクライアントワークを全方位的に高いレベルでサポートできる駒田さんもジョイン。コンサルティングの最終段階を外部に頼る必要は、ほとんどなくなりました。

この時点ですでに実力は十分と言えるのですが、将来性にも大いに期待できるのが、各メンバーがそれぞれクリエイターとして自分を狭い枠に嵌め込んでおきたくないと考えていること。コンサルタント的な素養の必要性を理解し、それを身につけようと貪欲に学ぶ姿勢には、伸び代しか感じないですね。

ある時はクリエイター、またある時はコンサルタント。

竹中さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

竹中:大学を卒業して、大手情報サービス企業に就職しました。就職活動をしていた頃はまだバブル景気の只中で、自分も特に真剣に将来を考えておらず、学生時代からアルバイトを続けていた縁で声をかけてもらったから入社したというのが正直なところです。配属されたのは、企業の採用支援を行う部署の企画制作部門でした。そこで私は、この仕事の難しさと面白さにのめり込みました。他事業部のことをよく知らなかったから、とも言えますが(笑)。従業員2、3人の小さな会社から日本を代表する大企業まで、規模や業種を問わずさまざまな企業の組織課題や採用戦略に向き合い、さまざまな経営者や従業員と会話をし、さまざまな成功や失敗をすることで、クリエイティブだけではなくコンサルテーションというものを学んできました。また、大学や専門学校の広報戦略を支援する部署では、教育という目に見えないものをどうブランドに昇華させて独自の魅力を生み出すのか、という難易度の高いテーマに取り組みました。

この会社では24年間という長い時間を過ごしました。職域は「制作」といういわゆるクリエイター職ではありましたが、実際の業務内容はコンサルタント職に近いものでした。あるクライアントに対して、「営業」は受注すること、「制作」は納品すること。それ以外の行程においては、どちらも全てに責任を持って関わる。制作だから担当クライアントの経営理念を知らなくてもいい、事業内容に詳しくなくてもいい、財務基盤に無関心でもいい、ということでは納品すべきアウトプットの品質が担保できないということを、とことん学びました。

転職やキャリアチェンジを通じて身についたことはありますか。

竹中:次に転職した会社は、高校・専門学校・大学受験生向けの学校情報ポータルサイトを運営したり、学校現場でのキャリア教育サポートを提供したりする事業を行っていました。そこでは、新規事業開発を行っていました。自社の既存リソースに新規アイデアを付加することでビジネスを生み出すことは、自分自身にとって新たなチャレンジでしたね。市場調査を行い、事業計画書を作成し、試験運用をして、そこに予算と人材をつけることでたくさんのビジネススキルが身につきました。

その後、大阪にある学校法人に転職。幼稚園から小学校、中学校、高等学校、そして大学までを運営する総合学園でしたが、大学の就職率と入学者が大きく低迷しており、そこからの回復が急務でした。就任3年目には、就職率を全国平均レベルに、入学者数も定員を満たすことができました。その後、法人本部で寄付収入の拡大という、新たなミッションを担うことに。そこでは、ファンドレイジングを目的とするさまざまな施策を立案し実行し結果を出すことで、これまでになかった知見と経験を身につけることができました。

そして2023年からはフリーランスに。ある時はコピーライターとして、ある時はキャリアアドバイザーとして、ある時はキャリア支援プログラムのプランナーとして、ある時はビジネスプロデューサーとして、自分でも何者かよくわからない活動をしています。

ロジセンスの潜在能力と可能性にある広大な余白に色を塗っていきたい。

ロジセンスとの出会いや、チームにジョインする経緯などを教えてください。

竹中:出会いは、1社目の会社にいたときに一緒に働いていた同僚からの紹介でした。といっても、ロジセンスという会社を紹介されたのではなく、クライアントワークの1案件のコピーライティングという単発での仕事でした。運よく(笑)その仕事を評価していただき、以降も他の案件にお声がけいただくようになりました。そんな中で、ロジセンスと他の依頼主との明確な違いを実感するようになりました。その頃はまだライティング業務だけを請け負っていたので、資料としてインタビュー音源を渡されることが多かったのですが、その録音時間がとにかく長いのです。経営者インタビューにおいては、2日間に分けて行われていることも。その内容もビジネスや経営課題に関する物だけではなく、生い立ちや創業時の話などを深く掘り下げていました。ここまで顧客理解を深めることを重視する姿勢に、驚くとともに嬉しさを感じていました。

そしてある日、ロジセンス自社のVMVの再定義とウェブサイトやパンフレットなどのリニューアルを行うプロジェクトに加わってほしいと、お誘いを受けました。このプロジェクトを通じて、ロジセンスのコンサルティングポリシーが他社とは圧倒的に違うこと、そしてそれが私自身の価値観やビジネスへの向き合い方と一致していることを実感することになりました。特に、新たに策定したバリューにある「論理と感性」「共感と客観」「発想と技術」をベースにして、アイデアだけではなくプロダクトまで一気通貫で行うからこそ問題解決が成し遂げられるのだという考え方が、私のそれと見事にシンクロしたのです。明確な言葉はどちらからもありませんでしたが、クライアントワークを依頼する側とされる側という関係性がいつの間にか大きく変わっていました。

これから先、どのようになっていきたいと考えていますか。

竹中:とにかく私はロジセンスの潜在能力と可能性には、まだまだ広大な余白があると思っています。企業への経営コンサルティングという事業の芯においては、より幅広い業種や規模や地域のクライアントに貢献できることは間違いありません。また、地域創生という観点では、現在関わっている地元サッカーチームの運営を通して習得したノウハウを、他のスポーツや芸術や文化振興に活用することで活性化させることは十分可能でしょう。それ以外にも、例えば教育機関へのアプローチには、私がこれまで内から外から関わってきた経験を活かすことができるはずですし、クライアントとクライアントのビジネスマッチングからスタートアップ企業を創出するなんていうこともできるかもしれません。さらには、ロジセンスが運営するプラットフォーム「キャリアベース」に高度なAI機能を付加することで、ユーザーがビジネスを生み出すプラットフォームに進化するなんていう可能性もありますよね。さすがに、後半は私の個人的な妄想レベルですが、それでも私はロジセンスが何か大きく変わる時や、新しいことを始める時に、そこに関わっていたいし力になりたい。そう願っています。

プライベートも充実させたいですね。気づけば、とことん突き詰めた趣味というものがないまま今に至っているので、なんとなく続けているギターか、いつまでも自己流のスパイスカレーづくりか、はたまた全く新しい何かに本格的に取り組みたいと思っています。あ、そのための健康維持のためにまずは何か始めないと。

インタビュー:堀内 千春 (LOGISENSE Inc.)
記事執筆:中井 博文 (LOGISENSE Inc.)
撮影:井村 義次 (LOGISENSE Inc.)

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